堅苦しい文学を親しみやすくして韓国語授業で活用するには /韓国語教育における大衆文化のステータス
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興味がある韓国文化といえば
韓国語で作文練習をしていると、テーマは難しいしずっと1人で向き合ってて孤独を感じる時があると思います。初めて勉強しようと思ったきっかけはいろいろあるでしょうが、多くの人は身近なところで韓国語とのつながりがあったからだと思います。
今回は、学習者が親しみやすい韓国のポップカルチャーを題材にして韓国語で作品制作をしながら、韓国語の文学的情緒を学ぶことができないかを模索した論文を紹介します。
共有する論文 カン・ミンギュ、ユン・ヨタク「韓国語教育における大衆文化のステータス」
韓国語で創作してみる
この論文の目的は、多様な媒体をもとにする韓国のポップカルチャーが、韓国文学に及ぼす影響をみていくことで、ポップカルチャーによって韓国語教育の方向が提示されるとし、文学における文章の書き方とコミュニケーションの方法を、ポップカルチャーが大きく変化させた点に着目して、韓国文学教育を主に論じています。
大きな変化としての代表例に、ファンフィクションが挙げられます。ファンフィクションは、芸能人を主人公にした小説であり、10代、20代の女性が描く場合が多いものです。
ファンフィクションの小説は、書いて鑑賞する主体の欲望が強く反映されます。たとえば、男性同士の同性愛っぽい内容の場合、実際にファンたちが、同性愛を認めているわけではなく、違う女性に好みの男性を奪われたくないという欲望が投影されているケースも見られます。
一方で、もうひとつ代表的例にオンラインゲームを背景にしたゲーム小説があります。
このゲーム小説は、オンラインゲームを基準にした、武侠小説やファンタジー小説と結びついたジャンルで、主人公が仮想現実のゲームの中で進行されるストーリーが主になります。
これらの重要な変化は、印刷媒体の書籍よりもインターネットを文章を書くための空間として活用されるケースが増えていることです。インターネットの特性上、作家と読者とのコミュニケーションが、既存の紙媒体よりも遥かに高いため、このような新しい方式への満足度が高い傾向が見られます。このように、インターネット媒体中心としたポップカルチャーの発達は、韓国文学にコミュニケーション主体の相互作用性を増大させました。
筆者は、このような韓国文学の変化を考慮して、韓国語教育の方法として、以下の3つを提案しました。
筆者は結論として、以下のように述べました。
制作と鑑賞を繰り返す文学
誰かが書いたものを一部分から話が繋がるように続きを書く活動と聞いて、私は連歌を思い浮かべました。論文で提示された例と比べると、連歌は古い方式で難しく感じますが、作品の鑑賞と制作を関連させながら繰り返していく、コミュニケーション主体の文学という部分は同じではないでしょうか。連歌は、共同制作というよりは制作と鑑賞を通じたその時その時の会話のような流れを楽しむものです。
外国語の勉強は暗記が中心になるので、どうしても受け身的な学習が続きがちです。しかし、外国語学習の目的は、主体的なコミュニケーションをするためです。
論文で登場した方法は、もし、韓国語の会話相手が見つからなくても文学作品が学習者へその役割をしてくれるのではないかと思います。また、学習者の興味がある題材で取り組めば、学習したことを積極的に活用できる場を提供できるだけでなく、達成感や学習動機の付与に対して助けになると思います。
参照論文
カン・ミンギュ、ユン・ヨタク「韓国語教育における大衆文化のステータス」『国語教育研究』no.29、ソウル大学校国語教育研究所、2012年、pp.35-56
강민규 ,윤여탁 「한국어교육에서 대중문화의 위상」『 국어교육연구』 서울대학교 국어교육연구소 、2012년、pp.35-56
2022年1月12日note記事を修正、再投稿.